2010年3月 1日 (月) 【森重】第1回:ドット絵制作について モンスター編

皆様、初めまして。
今回記事を書かせて頂く事になりました、デザイナーの森重です。
世界樹の迷宮Ⅲでは主にキャラクター・モンスターのドット絵制作、
その他アイコンデザインや航海クエストの戦闘背景を描いたり等の作業を担当しました。
2年前にアトラスに入社したばかりの若輩者ではありますが、
よろしくお願い致します。

では今回は自己紹介も兼ねて、私が主に担当したドット絵制作について紹介したいと思います。
ドット絵制作と言っても一から絵を描くわけではありません。
開発現場ではドット化とかドット修正という呼び方をしていますが、
簡単に言えば、画面上に表示されたキャラクター等のグラフィックを綺麗にする作業です。
地味ですが、グラフィックの見映えを大きく左右する重要な仕事でもあります。

まず、DSの画面に表示されるキャラクターはもととなる原画を縮小したものです。
画面に収まる様に原画を縮小すると、表示される絵は
原画の10分の1以下のサイズになってしまいます。
ここまで小さくなると、絵の細部が潰れたり色が滲んだりして
ぼやけた絵になってしまうのです。
そこで縮小した絵の上から修正をかけるわけです。

モンスターを例に作業工程を説明しましょう。

こちら、前作にも登場しましたワニ型モンスター。
今回は第2階層のF.O.Eとして冒険者達の前に立ち塞がります。

この原画を縮小します。


※わかりやすいように拡大表示しています。

ここから原画と見比べながら、形を整えつつ絵を綺麗にしていきます。
ある程度は開発ツールの機能で簡単に修正できるのですが
最終的には1ドットずつ手作業で修正していきます。

そして修正後
主に目・牙などの顔周りや手前の腕、肩のトゲなどを強調しました。

修正前と修正後で比較してみましょう。
違いが分かるでしょうか・・・。

ゲーム中に表示される大きさで見てみると・・・

実際の大きさだと分かりづらいですね。

この作業を全モンスターに施していく訳です。
小さいサイズのモンスターなら1日に数体まとめて修正できるのですが、
ボスモンスター等の大きいサイズになると丸1日以上費やしてしまう事もありました。
ラスボスに至っては、○○がたくさん付いててもう大変でしたよ!
仕様も特殊だったため2週間くらい掛かってしまった記憶が・・・。

・・・すみません、愚痴っぽくなってしまいました(笑)

前作を超える綺麗なドットを目指して作りましたので、
普段は中々注目して見てもらえない部分なのですが
しっかりこだわりを持って作り込まれているという事を知って頂けると幸いです。

最後に、モンスターといえばこんな開発秘話があります。

ゲームのパッケージにはCERO区分という
対象年齢を示したマークが記載されていますよね。
世界樹の迷宮のこれまでのシリーズはCERO「A(全年齢対象)」。
しかし世界樹の迷宮Ⅲは当初、
CERO「B(12才以上対象)」になる可能性もあったのです!

詳しく書き過ぎるとネタバレになってしまいますが、
長澤先生の描いたとある1体の女性型モンスターの、あまりに大胆で素敵なデザインが原因です。

全年齢としたいのでドットを調整することになりましたが、この魅力を殺してしまうと勿体無い・・・。
どうすればいいかと考えた結果、該当モンスターの肌の色を変えて
身体のある部分やまたとある部分をうまく隠すことで事無きを得ました。

結果的に、微妙に見えないことで逆に●●●な気もしますが、無事「A」判定になったので良しとしましょう。

どんなモンスターなのか気になる方は是非、実際にゲームをプレイして確かめて下さい!